2014年07月29日

夏蜜柑ジャムと友

Nさんは、四十三歳の息子が三歳児で幼稚園に入った時の同級生の女の子のお母さん。
考えるまでもなく、お付き合いも40年!
どっちかと言うと声も低音、行動も男っぽくって、いつの間にか何でもしゃべれる、今で言うママ友。

子どもたちはすっかり大人になって、名前を言ったって「誰だよ?」って言われそう。
でも、親同士はあれこれあって、私はN家によく遊びに行きました。
この頃は「田舎(ご主人の実家)からなになにが来たよ、取りに来て・・・」
で、果物や漬けものをいただきに行きます。

この間、久しぶりに顔を出したら、「ジャム持って行く?」
ん!
ここで私はちょっとストップ。
でも彼女はさっさとキッチンに・・・毎年頂いている夏蜜柑のお手製のジャムを持って現われました。
実はね、あなたのジャム甘すぎるのよ・・・・って言い損なって、「ま、いいか」

持って帰って何日か手を付けずにいたけど、そうそうと思いだして食べたら「あっ、おいしい!甘すぎない」
今年のジャムは、私の朝食のパンの友として、またたく間になくなりました。
もっと食べたいなあ・・・・・

Nさんの家の近くに行ったついでにふらりと寄って一言。
「ねえ、今年のジャムおいしいわね。今までちょっと甘すぎたんだけど、ほんとにおいしいから、もう食べちゃったんだけど、まだある?」
「なんだ、早く言ってくれればいいのに・・・私とあなたはもう何年?40年くらいの仲じゃないの! 実はね、私も甘いなあと思ってたの。だから、お砂糖をグラニュー糖にして、今までの三分の一にしたのよ。あるある、持ってくるから待ってて!」
ずっしり重い瓶を抱えて車に戻りながら、40年の付き合いっていいなあって、しみじみ思っちゃった。

見方によっては、単なる厚かましいくいしんぼーですけどね!
posted by たるこ at 22:45| Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月23日

味噌汁作りの余禄

今日は、げんき工房に味噌汁を作りに行きました。
交通事故の怪我の後遺症を抱えながら、少しずつ現場復帰を試みていますが、以前のように行かない自分に戸惑ったり焦ったり、なかなか思うように行かない日々です。

味噌汁作りも、退院してまず手近なところからと試みたのですが、何となく感覚的なずれが感じられて、おいしいのが作れなかったのです。

自信をなくしてためらいながら三カ月、ようやく手順や味について自信が持てるようになりました。

たかが味噌汁、されど味噌汁!

新しい仲間たちが、にこにこしながらお代わりをしてくれるのを見て、やっと生き返ったかなあと思いました。ねばならぬことではなく、やりたいことに自信が持てることが、本当の意味の復活でしょうね。

帰り道、ゆっくりゆっくり炎天下の道を汗を拭き拭き歩いていたら、車道を挟んで向こうからEさんが歩いてくるのを見つけました。
とんでもないことばっかりしでかして、手こずらされたEさん・・・
「Eさん!」と声をかけたら、車が行き交う信号もない道をさあっと渡ってきました。

三十年を越える付き合いの中でいろんなことがあったけど、今はようやく安定した日々を過ごしているんだなあと思える優しい言葉を聞きました。
「よかったね」

私も、重いジャガイモの袋をぶら下げて、梅雨明けの炎天下、ふらふらせずに歩けたみたい!
posted by たるこ at 23:28| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月19日

浴衣の思い出

お隣のBさんは、お人よしを絵にしたような素朴で優しい人。
我が家が家を建てて住んでから十五、六年経って家を建てて住むようになりました。
パンやくクッキーなどを作るのがお得意で、時々温かい出来たてをいただきます。
沖縄が故郷とか、小柄でがっちりした体格の、それでいて優しくいつもにこにこ・・・・
ご主人は余り喋らない方で、ちょっととっつきにくい。でも、あれもやさしさの現われかな・・・

お隣と我が家の境はブロック塀とフェンスがありますが、いつの間にかB夫人は、ブロック塀が切れたほんのわずかな隙間から、ひょっこり我が家の庭に来て、硝子戸の向こうに顔を見せるようになりました。

「Aさん、浴衣の古いの持ってますか」
「え?あると思いますけど、どうするの」
「浴衣地で、ブラウスやワンピース作るの習ったんで、あったらと思って・・・」
「古くてもいいの? あるわよ、探してみるわ」

それから一時間も経たないうちに、私は新しい反物の浴衣地二本と、藍地に白の絞りの浴衣一枚を持って抜け道を通ってB家に行きました。
「これでいいかな。二つは男物の柄だけど、反物のまんま四十年くらい仕舞いっぱなしだから、藍の匂いがするわよ。仕立ててあるのは一、二回しか着てないのよ。柔らかい絞りね」

次の日には「これどうですか」って、チュニック風のブラウスを持ってきてくれました。
ちょっと着丈が中途半端!
そうだ、裾をもう三、四十センチ長くして、夏のネグリジェにしよう。

また、抜け道を通って「まだ布はあるでしょ? 裾を長くして夏のネグリジェはどうかしら」
「分かりました、やってみます」

二時間くらい経って、「できましたあ〜」
楽しいね〜
私は今、直線縫いのガサガサする浴衣地のネグリジェを着て、このお揃いの浴衣地を十反買って、息子や娘婿や、甥たちのために仕立て、そのころ住んでいた家に呼び寄せてひとりひとりに着せ、酒席を開いたあの夏の夕べの、うれしそうな母の姿を思い出しています。

母が亡くなってもう十三回忌もとっくに過ぎました。
posted by たるこ at 00:09| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月11日

お〜タカラヅカ TAKARAZUKA

朝から雨が降っていました。止みそうもありません。
条件はいいとは言えなかったけど、大学の同級生であった友人と、夫と私の三人で、有楽町の東京宝塚劇場にズカの「ベルサイユのばら」を観に行きました。

私は中学のころからの宝塚フアン。
戦後、東京宝塚劇場がアメリカの進駐軍の専用劇場アーニーパイルとして接収され、錦糸町の江東劇場(映画館)を舞台として公演していたころからね。
夫は私に引っ張りこまれたフアン。
もう一人は生まれて初めてタカラズカを観た同級生です。

私は勿論、遠い昔の春日野八千代や越路吹雪を想い描きながら、うっとりして現実逃避そのもののようなひとときでしたが、初体験の友人も「わあ、楽しかった!すばらしいわね」と楽しんでいました。
歌舞伎は男がたおやかな女になる。その逆の世界だけど、ズカの男役は身長、脚の長さ、体力とも抜群!
まさに、夢の世界です!

公演が跳ねて外へ出たら、しとしと雨は止みそうもありません。
三人は雨の中を、勝手知ったビアホール目がけて走りました。
ジョッキのビールとおつまみ程度の皿を前にして、しゃべることしゃべること・・・・

濡れないように、地下鉄への階段を下りて世田谷に帰る友人を送り、上野から地上に出たのは8時半!
台風の前触れのような激しい雨はきつかったけど、青春がちょっぴり顔を出した一日でした。
posted by たるこ at 23:26| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月02日

ももいろとそらいろ

夫が会社からタオルを貰って来た。
「あら、今治(イマバリ)タオル?」
「ああ、吸水性がよくって乾燥が速いんだよ」
「それは知ってるけど、どうするの?」
「使って感想を聞かせてくれって」

大きな箱の中に、バスタオルと入浴用のタオルと、小さな手拭き用のタオルと3種類が入っていた。
それから、我が家の脱衣室はちょっとパリパリした肌触りの大きな濃い空色のバスタオルと、これも濃いももいろの入浴用タオルが、今まで使っていた手触りの柔らかな薄いあづき色のタオルの席を占領している。

仕事だから仕方ないけど、私は家の中をどぎつい色で占領されるのはいやだなあ・・・・
確かに今治タオルは吸水性も乾燥性もいいけど、できればもっと優しい色を選んでほしかった。

一番小さいハンドタオルは、濃い紺色だったので、早速使っているんですけどね・・・

昔むかし、戦争が終わったばかりのころ、一家十人ほどで三枚の薄いタオルを使い回していた。
いつも夜遅くなってからお風呂に入る私は、濡れて冷たくなったタオルをつかみながら、いつか自分の乾いたタオルを持ってお風呂に入りたいって、泣きたいような気持で心の底から思っていた。

色がどうのこうのなんて、贅沢な話!ですかね?
posted by たるこ at 23:30| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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